MRの仕事を知る

医療と製薬をつなぐ、命の架け橋
MRの仕事とは

MR(Medical Representatives)は、医薬情報担当者とも呼ばれ、病院やクリニックの医師、薬剤師などの医療従事者を訪問し、情報提供・情報収集を行うことが主たる業務となります。MRは単なる営業職ではありません。 医師・患者の立場に立ち、医療の一翼を担うパートナーとして社会貢献度の大きな仕事になります。
旭化成ファーマのMRは、現在約600名。文系・理系問わず、多くの社員が医薬品の知識も全くないところからスタートし、今では医師のパートナーとなって全国で活躍しています。世界の人びとの"いのち"と"くらし"に貢献していくことが、旭化成のMRとしての使命です。

MRの主な仕事・役割

1医薬品情報の提供・収集
MRは医師や薬剤師に対して、自社製品の有効性・安全性・使用方法などの正確な情報を提供します。治療効果を最大限に引き出すため、医療従事者のニーズに応じた最新情報も提供。また、医療現場から得た副作用や使用経験に関する情報を収集し、製薬会社にフィードバックすることで、医薬品の品質向上や適正使用の推進に貢献します。
2医療現場との信頼関係構築
MRは医師や薬剤師との信頼関係を築くことが重要です。定期的な訪問や情報交換を通じて医療従事者の課題やニーズを把握し、それに応じたソリューションを提案します。誠実なコミュニケーションを重ねることで、MRは医療従事者にとって信頼できるパートナーとして認識され、治療現場での意思決定において重要な役割を担います。
3最新医療情報の提供
医療技術や治療法は日々進化しており、MRはその最前線の情報を医療現場に提供します。学会やセミナーで得た新しい知見やガイドラインの改訂情報を共有し、医師が最新のエビデンスに基づいた診療を行えるよう支援します。これにより、患者に最適な治療法が提供され、医療の質向上にも寄与します。
4新薬の適正使用推進
新薬が市場に投入される際、MRはその適正使用を促進する役割を担います。薬剤の特徴や使用方法、治療対象患者について医師に説明し、適切な治療選択ができるようサポートします。また、副作用や安全性に関する情報も提供し、患者の安全を確保。医師が安心して新薬を使用できるよう、正確かつ信頼性の高い情報提供を行います。
5治療提案のサポート
MRは医師の診療方針や患者ニーズを理解し、最適な治療選択をサポートします。特定の疾患や症例に適した医薬品や治療方法を提案することで、患者一人ひとりに合わせた治療が実現します。単なる製品説明にとどまらず、医師とのディスカッションを通じて治療戦略を支援することで、より質の高い医療の提供に貢献します。
6市場動向・競合情報の分析
MRは医療現場や市場のトレンドを把握し、競合他社の動向や製品情報を分析します。得られた情報は自社のマーケティング戦略や製品開発に活かされ、市場での競争優位性を確立するための重要なデータとなります。これにより、医療従事者にとって最適なソリューションをタイムリーに提供し、自社製品の普及を促進します。
7倫理遵守と
コンプライアンスの徹底
MRは医薬品の適正使用を促進するため、法令や業界ガイドラインを遵守した活動を行います。不適切なプロモーションや誤解を招く情報提供を避け、医療従事者や患者から信頼される存在であることが求められます。倫理観を持ち、誠実な活動を継続することで、医療業界全体の健全な発展に寄与します。

必要としている人に必要な薬が届くまで

〜グローバルファーマ編〜

製薬メーカーで開発・製造された薬が、MRを通じて世界中の医療機関や患者に届くまでの流れを、グローバルな基準や法律の観点を含めて解説します。

  • step1 薬の開発・製造(製薬メーカー) 製薬メーカーは、新しい薬を開発するために研究を行い、効果や安全性を確認する臨床試験を実施します。各国の規制当局が求める基準に従って臨床試験を設計します。開発段階で各国の基準を調査・調整することで、国際市場へのスムーズな展開を目指します。
  • step2 国際規制への申請と承認グローバル展開するためには、各国の規制当局、例えば日本:PMDA(医薬品医療機器総合機構)、アメリカ:FDA(食品医薬品局)、欧州:EMA(欧州医薬品庁)などによる承認が必要です。
                  製薬メーカーは、臨床試験データを各国の規制に合わせて提出します。国や地域によって求められる試験や基準が異なるため、各国基準を満たすために追加データや補足試験を行うこともあります。
  • step3 MRによる情報提供 MRは、承認された薬の効果や使い方、安全性に関する情報を医療機関に提供します。国によっては、プロモーション活動や情報提供に関して広告規制や倫理基準が異なるため、それぞれの国の法規制を遵守しながら活動します。
  • step4 医療機関での治療選択 医師は、MRから得た薬の情報と国ごとの治療ガイドラインをもとに、患者一人ひとりに適した治療法を選びます。国によっては保険制度や薬価制度が異なるため、治療選択に影響を与えることがあります。
  • step5 薬剤師による調剤と説明 処方された薬は、薬剤師が調剤して患者に提供します。各国の薬剤師法や調剤規定に従って、正確な服用方法や注意点を説明します。輸出入管理や品質保証も重要で、輸送中の品質保持が求められます。
  • step6 患者の手元へ薬が届く 製薬メーカーが開発した薬が、MR、医療機関、薬剤師を通して、各国の規制をクリアした形で患者の元に安全かつ適切に届きます。その後も安全性や有効性を継続的に確認した上で、副作用の情報は各国当局と共有し、必要に応じて使用上の注意を改訂します。
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